例えば、「和食には日本酒、洋食にはワイン」というような固定概念はもはや今は昔。
もちろんその選択肢が王道なのは間違いのですが、ワインにあう和食も、日本酒とフレンチという組み合わせもまた新たな食の楽しみ方ではないでしょうか。
そんな風に、いろんなものの常識が変わる中、植物の世界にも「土で育てる」だけでない新たな楽しみ方があるんです。
今回は、そんな王道とはまた一味違った魅力をもつ「水耕栽培」のお話です。
1. どう違う?土と水耕の育て方
「水耕栽培」というと、子どもの頃育てたヒヤシンスやクロッカスの「水栽培」を思い出しますよね。
そうではなく、水耕栽培はハイドロカルチャーとも言い、専用の植え込み材(ハイドロコーンやハイドロボールなど)を用い、水で育てる栽培方法です。
有機質な土は菌が繁殖しやすく、虫もつきやすいという特徴があります。
対して水耕栽培は無機質なハイドロコーンと水だけなため、清潔で手軽に育てられるんです。
さらに、透明な容器で栽培すれば、水の残量もしっかり見えるので水やりが簡単。室内でより衛生的に植物を育てたいという方にはピッタリなんです。
ハイドロコーンやハイドロボールの素材はレカトンという粘土を高温で焼成したもの。
多孔質で適度な空気と水を保持することができ、根から過剰に分泌された根酸を吸収することで根を活性化させる作用もある優れもの。
土に比べて軽く、洗浄すれば繰り返し使える素材なんです。
2. 水耕栽培で育つ植物とは?
土で育つ植物とハイドロカルチャーで育つ植物、どう違うのかというと、根っこの仕組みがまるきり違うんです。
土用の根に過剰な水分を与えると根腐れを起こしてしまいます。
そうならないよう、水耕栽培の植物の根は太く、水に長時間つけていないと吸えない仕様になっています。
とはいえ、水耕栽培用の植物があるのかと言うと、決してそうではありません。
水耕で育てたい植物の根を一度全部切って、新たに発根させるところが、水耕栽培のスタート地点です。
水栽培のように水につけておくことで、新たに生える根は、水耕に適した根となります。
もちろん最初から水耕栽培用として販売しているハイドロ苗もあるので、さらに手軽に始めるならば購入して育てればOK。
土のものを水耕したければ、上記の手順を踏めば育てられます。
植物が自力で水耕栽培用に成長した根はすごく強く育ちます。
ぜひ一から育ててみてください。切り花でもうまくいけば根っこが生えて育てることが可能です。
3. 発根から始める水耕栽培の手順
根を育てる手順は簡単。
切る → 乾かす → コップなどで水につけて根が生えるのを待つ
以上です。
切りどころは根っこを生やすスレスレのところ。
またポイントは完全に切り口を乾かすことです。
サボテンなどの水のほとんど要らない植物なら2~3日ぐらい根を切ってから置いておいても大丈夫です。
ツル系なら切ってすぐでもいいですが、木の根は1~2日程度おいてください。
さらに、水は2~3日に1度は替えてあげてください。
根がしっかり生えるまで、1~2週間のものもあれば、1ヶ月ほどかかるものもあります。
早く根を生やすのにおすすめなのが、以前もご紹介した「メネデール」。植物が弱った時にも使えますし、根っこのない木に発根を促す効果のある液肥です。
根がしっかり生えたら花瓶にさしたり、穴の空いていない器に移し、土のかわりにハイドロコーンを入れて、水を入れてください。
この時に液肥をあげるとより発育が良くなりますよ。
4. 増やして眺めて、楽しい水耕栽培ライフを♪
ご紹介した方法で、大抵の植物が水耕栽培に転換できます。
上手に育てれば葉っぱ1枚からでも可能なため、手軽に植物を増やす方法でもあるんです。
そう考えたらちょっとわくわくしませんか?
無機質なので魚と一緒にアクアリウムでも育てられたりと、いろんな楽しみ方が可能です。
詳しい育て方や発根についての質問などがあれば気軽に店頭でお声がけください。
楽しい水耕栽培ライフをお手伝いいたします♪