最近人気のコウモリを育ててみませんか?
…と言っても夜の墓場や洞窟にいそうな、羽根の生えた生き物ではありません。
その名は「コウモリラン」。
コウモリと言ってもコウモリでなく、ランと言うけれど蘭ではない。
しかも別名「ビカクシダ」のビ(麋)は鹿を指すのだそう。
えっコウモリなの?鹿なの?? その答えはネーミング以上に個性的な見た目を見ると納得できるのではないでしょうか。
1. それぞれ違う個性的な見た目が楽しい!
名付けの由来、わかりましたか?
そう、コウモリラン(ビカクシダ)は垂れ下がる葉が羽ばたくコウモリのようだと付けられたもの。
そして、逆に見ると鹿の角のようでもあります。
ここであれ?と思った方もいるかもしれません。
そう、このコウモリランは以前紹介した「ビザールプランツ」の仲間。
東南アジアやアフリカ、南アメリカなどに主に熱帯地域に自生する植物で、樹木や岩に付着して生長する着生植物です。
世界に原種は約18種と少ないものの、葉の付き方によりビジュアルが大きく変わるため、同じ種類でもそれぞれに個性的な見た目が楽しめるのが特徴のひとつ。
素人には難易度が高いものの胞子培養もできるため、品種改良種も多く出回っており、最近マニアの中では大きく分岐するタイプや白っぽい色味が人気です。
流通量が多いため比較的入手しやすく、初心者にも扱いやすい代表品種が「ビフルカツム」。
他にも葉を覆ううぶ毛・トリコームが多く、シルバーっぽいグリーンが楽しめる「ビーチー」なども育てやすくおすすめの品種です。
▲ステマリア(左)とビフルカツム(右)
トリコームは日差しの強い場所に自生した種に多く生えるもの。
自生した環境により多かったりあまりなかったりと、バリエーションがあるのもコウモリランの魅力です。
例えばトリコームがほとんどなく表面がツルツルの「ステマリア」や象のような見た目の「エレファントティス」など、コウモリランと一口に言ってもいろんな種類があることがわかります。
▲エレファントティス
2. 簡単アレンジで壁に飾るインテリアに
では、この植物をどう楽しむか。
そのまま鉢で育ててもいいですが、板付けして壁面に飾ったり、コルク付けや苔玉に付けてハンギングしたり、いろんな楽しみ方があります。
初心者でもそう難しくなく、おしゃれなインテリアとして部屋に飾れるのが板付けや苔玉です。
とんがっている「胞子葉」ではなく、その裏にある丸い「貯水葉」にテグスを巻きつけるのですが、この時の注意点は中央にある「成長点」を傷つけないこと。
根が少々傷ついても、この成長点さえ無事ならば大丈夫です。
▲成長点
葉の伸びる方向の上下の見分けはなかなか難しいのですが、葉っぱの形や生え方、成長点などから判断して、伸ばしたい向きに吊るしてください。
株が成熟してくると葉の裏に茶色い胞子がついてきます。このぐらいに成熟すると、テグスを巻きつけやすくなります。
▲葉の裏にある胞子
また鉢植えで販売しているものをほぐし、土の代わりに水苔を使って木に根付かせてあげるのも涼しげでいいですね!
苔玉をさらに板につけるという合わせ技もできたりします。
3. 水やりの方法と育て方
水やりは3日に1回、シャワーをかけるかバケツに漬けて、全体を湿らせてください。
シャワーの場合、1分程度。バケツの方がより全体を湿らせることができ、ブクブクっと空気が浮いてくるのがなくなるまで浸けてあげればOKです。
どの種類にも言えますが、しっかりと乾いてから水やりを行ってください。
もともと暑い地域の植物なため、寒さに弱いコウモリラン。
種類によって春から秋にかけては屋外でも管理できますが、冬は必ず家の中に入れてあげてください。
また直射日光で焼けてしまう種も多いため、屋外で育てる場合は軒下やシェードで風通しよく遮光してあげることもポイントです。
先ほど紹介したビーチーは比較的日光を必要とする品種なため、屋内の光だけでは成長が緩慢になりがち。
日当たりと風通しのよい窓際などで、直射日光が当たらないようカーテンで遮光してあげるのがベストです。
4. 個性派植物で楽しむ新たなグリーンライフ
コウモリランは最近では折に専門店以外でも見かけるほどに一般的になっています。
おうちのインテリアにも取り入れやすく、植物好きの延長線で育てる方が増えています。
壁にかければ場所もとらず、インテリア性が高いだけでなくペットのいるご家庭でも安心ですね。
ただし、品種ごとに育て方も多様。
ガーデナーズジャパンにはコウモリランにも詳しいグリーンの専門家がおります。
ぜひ育て方や飾り方など、ご相談があれば気軽に店頭でお声がけください。