「寝た子を起こすな」と言うように、そっとしておいた方がいいことってありますよね。
いろんな意味のある言葉ではありますが、言葉通り、子育て中であれば赤ちゃんが寝ている間にしかできないことってたくさんあると思います。
植物だって休眠中はそっとしてあげるのが一番。
ですが、目を覚ました時に元気に成長できるよう、してあげられることだってあるんです。
例えば、バラ。品種にもよりますが、一般的なバラは見た目のイメージ通りにデリケートな植物で、通常は根っこをいじったり切ったりするだけで枯れたり弱ったりしてしまいます。
まさに赤ちゃんのような繊細さ! ですが、これは「起きている時」の話。休眠期には、実はたっぷりとお手入れしてあげてほしいんです。
1. 休眠中に必要な3つのお手入れポイント
一度寝てしまうと、つねってもくすぐっても起きない人っていますよね。
バラは、そんなふうに落葉してしまうと完全に眠っている状態になるんです。
ちょっとやそっと手を加えたところで機嫌良く寝ていてくれるからこそ、このタイミングを逃さず手をかけてあげることが春に美しい花と香りを楽しむためのポイントとなります。
では、どのようなお手入れが必要かというと…
・剪定
・植え替え
・根っこの洗浄
ポイントはこの3つです。
特に、表に見えていない根っこは重要。
水と養分をよく吸うように、しっかり洗って、鉢植えの場合は2~3年に一度は根っこをほぐしてあげること。
地植えでも土を全部起こしてあげると発根作用がよくなります。
そして、真っ黒な枯れ枝のようになっている部分は思いきって切ってください。
根を切るというと不安になるかもしれませんが、この黒い部分は、いわば人間でいう「がん」。スッパリと切り取ってあげることがバラのためと思って、迷わずいって正解です。
根をほぐして植え替えたら、肥料をあげてください。
ここでポイントとなるのは、有機性の肥料を使うことです。
次に芽吹くのは3月ごろ。1~2月は休んだ状態が続きます。
そのため瞬間的な栄養となる化学性の肥料ではなく、じわじわと栄養を吸う有機性の肥料で休眠中のバラをやさしく労ってあげてください。
2. 剪定に必要なのは「思いきり」
さらに花をきれいに咲かせるために重要なのが「剪定」。
高価なイメージのあるバラは、切るのがもったいないと、そのままにする人が意外と多いんです。
でも花がつくのは新芽。
切らないと古い枝ばかりになって、新芽が少なくなったり、花が咲かなくなることもあります。
これも根と同じくバラを思えばこそ。思いきって切ってあげてください。
2月に入ると新芽が動き出すため、剪定するのは1月下旬まで。
切る時期さえ間違えなければ枯れることはありません。
太枝を残しながら、つるバラは「その年に伸びた1/3」、木立ち性バラは「その年に伸びた枝の半分」程度がカット量の目安です。共通して小枝はすべて落としてください。
また細かな注意点としては、ハサミを消毒することをお忘れなく。家庭用の消毒液でも大丈夫です。
剪定についてはこちらの動画でも見ることができます。
・庭チャンネル[バラマイスター講座]バラの剪定について
※ちなみにガーデナーズジャパンも庭チャンネルのメンバーです。
3. バラの周期を知って、春に備える準備を
最初に落葉しきったら休眠すると書きましたが、これは葉がなくなることで光合成ができなくなって休みに入るというメカニズム。
最近は暖冬続きで落葉しない場合もあるかもしれませんが、そんな時は葉をむしって強制的に寝かせてあげてください。
冬のバラはしっかりと栄養をあげつつ、きっちり休ませてあげることが大事です。
そして、次のシーズンまでにゆっくりと準備をしてあげることで、美しい花期を楽しませてくれます。
鉢花を庭に植え替えたい場合も12月のこの時期で。
他の時期ではダメージが大きく弱ってしまうのでご注意を。
自分での判断が難しい場合や、他に疑問・質問のある場合はガーデナーズジャパン各店まで気軽にお尋ねください。
グリーンの専門家でもある当店スタッフが丁寧にご説明いたします。