お正月気分もすっかり抜けてきましたね。
ところでみなさん、今年は七草粥食べましたか?
七不思議、七草粥、七福神…狼が狙ったのは7匹の子やぎで、白雪姫の小人も7人。
考えてみると昔からの言葉や物語には「7」のつく言葉の多いことよ。きっと縁起のよい数字なんでしょうね・
そんな「7」のつく言葉のひとつが、「七つ道具」。
今回は、私たちも愛用する「プロの七つ道具」のひとつ、ハサミについてお話します。
1. 触れて知る、奥深きハサミの世界
「ハサミ」と一言で言っても、実はいろんな種類があるんです。
一般的な「剪定バサミ(植木バサミ)」に細やかな花苗を整理するときに使う「芽切バサミ」、名前通り太い枝を剪定する「太枝切バサミ」、切花の水揚げに使うフローリストナイフ…他にも種類はさまざます。
ステンレス塗装が施され、病原菌が入りにくくしているバラ専用の「バラバサミ」なんかもあったりします。
価格もそれぞれで、職人ものの上級者向けになると1本のハサミが万単位にもなるほど!
同じ種類であってもメーカーによってサイズや使用感が微妙に違います。
ではどう選ぶかというと、何より重要なポイントは「手の大きさにあったサイズを選ぶ」ということ。
子どもが大人用の箸やスプーンを使うと使いにくいのと同じように、大きさの合わないハサミは反復運動で疲れるだけでなく作業性も悪くなります。
年齢や性別だけでなく、個人差があるのが手の大きさ。
買う前に握ってみて、幅や重量が自分の手に合っているかを確認してから購入するのがおすすめです。
重さに関しては、初心者には軽い方がいいと思います。
ただし、重いものは手が疲れやすい半面、しっかり切れるという利点もあります。
経験を積んだら次は重いハサミに持ち変えるというのはいかがでしょうか。
ちなみに私の場合、重いのを持つようになってちょっとした筋肉がつきました! 筋トレしたい人はよいかもしれません(笑)。
2. まずはここから。初めての方におすすめのハサミ
プロはいろんな種類を用途によって使い分けますが、ご家庭でいろんな種類を揃えるのはなかなか大変ですよね。
そんな時は、これまた昔からある言い回しを引用すると「大は小を兼ねる」!
細い枝は大きくても切れますが、太い枝は繊細な刃では切れません。
じゃあどれがいいんだとなると、おすすめは「芽切バサミ」か「剪定バサミ」。
花メインなら芽切バサミ、樹木メインなら剪定バサミを。
よほどの大物でなければ、ご家庭の花や樹木はこの2本で対応できるはずです。
そして、もうひとつ個人的おすすめがこれ!
アルスコーポレーション社の「クラフトチョキ」です!
名前からしてクラフトとついていますが、まるで工作用のようなカジュアルな見た目。
え、これ大丈夫…!?と不安になるかもしれませんが、大丈夫です。
なんなら軽くて切れ味よく、キャップ付きなのでポケットにも入れられて…と超優秀。
花以外にリボンやフィルムも切れて、野菜だって切れます。正直これ1本あればかなり重宝するのは間違いありません。
また少しアレンジの効いたものもご紹介すると、ラチェットの入ったものは、1回ずつ力を入れ直して段階的に切れるため、太い枝でも少ない力で切れるので女性にも使いやすいのが特徴。
高所作業やバラの棘など、下に落としたくないものがある場合はキャッチ付きのものがおすすめです。
ハサミの素材は鉄やステンレス塗装の他に、グラスファイバーやセラミック製も。
例えばコニファーやゴールドクレストなど、針葉樹には金属アレルギーがあるため、普通のハサミは剪定に向きません。
セラミック製のハサミを使うか、手でひねり取ってあげてください。
3. 簡単にできるハサミのメンテナンス
そして、ハサミを長く使い続けるためには、メンテナンスは欠かせません。
一概には言えないのですが、安いハサミは切れ味がすぐ落ちやすく、刃の噛み合わせも広がりやすい、刃こぼれしやすいなどの傾向にあるように思います。
そういう観点では職人ものは研ぎやメンテナンスをお願いできるというメリットがあります。
自力でメンテナンスする場合は、刃を研ぐだけでなく、黒いヤニも落としてあげてください。
ヤニ=樹液は付着したまま放置すると、切れ味の低下や刃物を炒める原因にもなります。
ではどうするかというと、表面をペーパーヤスリで磨いてあげると落とせるのですが、もっと簡単にメンテナンスできるのが、玉取産業の「ヤニピカ」&みきかじや村の「ケスピカ」コンビです。
使い方は簡単。「ヤニピカ」をスプレーして、約20秒間放置。
その後にこすればかなりのヤニが落ちますが、さらに「ケスピカ」で消しゴムのようにこすり取ると、ピカピカに。
このヤニ落としすることで、滑り、開き、切れ味が復活するので、ぜひ定期的にメンテナンスしてあげてください。
4. ハサミとの良縁でガーデンライフをもっと楽しく!
売り場を見てもらうとわかるのですが、ハサミは本当に多種多様。
そして、用途もありますが、なんといっても相性が何より大事です。
売り場に行ったら、まずグリップを握ってみて、サイズ感や持ち味をしっかりと確認してみてください。
そして、自分での判断が難しい場合や、メンテナンス法がわからない場合などは、ぜひ店頭でお気軽にスタッフにお尋ねください。
グリーンの専門家でもある当店スタッフが丁寧にご説明いたします。
ところで剪定を終えて、枝ぶりがすっきりとしたところに水をやっていたら、うっすらかかった7色の虹!
思わずテンションが上がりました。やはり「7」はなんだか幸せになる数字なのかもしれません。