まず、これをお読みの方に謝らせていただきたい。
私、高岡は以前このブログでドライフラワーについて「紫陽花は簡単」とお伝えしました。
…が、しかし! その紫陽花のドライフラワー作りを失敗したという人が現れたんです!!
簡単とご紹介したのに失敗したのではグリーン専門家の名折れ!!
このままにしておくわけにはいきません。
さっそくその張本人Mさん(仮名)にお会いして話を聞き、アドバイスをもとに改めて紫陽花のドライフラワーに挑戦してもらうことに。
失敗を踏まえてのMさんのリベンジ、そして僕のリベンジの結果やいかに!?
目次
1. 「乾く」と「枯れる」は違うと心得よ
まずはMさんから自作したという紫陽花を見せてもらうことに。
Mさん「見てください。これなんです」
高岡「こ、これは………!」
Mさん「これってダメでしょうか? 自分でも正解がわからなくて」
高岡「はい、残念ながら失敗です。乾く前に枯れてしまっていますね」
Mさん「ええっ、私枯れた花を乾かしてたんですか!!!?」
高岡「そうですね……」
確かにこれは失敗です。
状態を見るに、この失敗の原因は水揚げにあり。
最初はしっかり水の揚がった状態からスタートしないと、萎びて枯れてしまいます。そこからいくら乾いても枯れた花には違いありません。
ちなみに乾くより先に枯れてしまったものは、見た目でもわかりやすく、乾いても首がクタッとなってしまいます。
新鮮できれいな状態でドライにしてあげること。そのために水揚げは必須なんです。
2. 覚えておきたい、失敗しない水揚げの技
今回、Mさんに伝授したのは水揚げを失敗しないための技。
(1)紫陽花の茎の下から5センチほどの部分にナイフを入れ、斜めにカット。
(2)カットした切り口から中のワタを取り出す。
この2ステップを踏むだけで水揚げの状態がかなりよくなるんです!
ユーカリなどの枝物(枝の太い花や葉)は枝の先を十字に切ってあげると同様に水を吸いやすくなります。
この処理をしたら、後はひと晩しっかりと漬けて水を吸わせてあげたら、準備はもう完了。
朝、しっかりと水の揚がった状態で吊るしておけば、ドライフラワーはできあがります。
3. 必要なのはほどよい光と風通し
もう1つのポイントは吊るす場所の環境です。
ベストなのは日陰の乾燥した、風のよく通るところ。
失敗の原因によくあるのは、湿気が多くて蒸れた感じで腐ってしまうことです。
例えば、以前もお伝えしましたが、「すごく乾燥している真夏の車の中」はとても乾きやすい環境と言えるでしょう。
とはいえ、本当に車の中で作るわけにもいきません。
ではどんなところがよいかと言うと、家の中でいうとベランダの直射日光の当たらないところなど。
ただし、ベランダの場合は日当たりに注意が必要で、特に西日はNGです。
浴室乾燥がかかっているお風呂場もよいですが、ずっと吊るしておくわけにいかないので、やはりここはリビングやベランダなどがよいかと思います。
できれば風通しを考えると窓に近い方がいいですが、日当たりがよすぎて心配な場合は、カーテンを1枚隔ててあげれば問題ありません。
4. それでは実践!
これらのポイントを踏まえて、再度Mさんに挑戦してもらいました!
ちなみに、今回は紫陽花の種類も変えて、ドライにしやすいカシワバアジサイ(柏葉紫陽花)でリベンジです。
まずは枝をカットしてワタを抜いたら、水揚げをしっかりして備えます。
(素材はカシワバアジサイ)
(水揚げしたばかりの状態)
高岡「前の時はどこに吊しましたか?」
Mさん「リビングです」
高岡「窓に近い辺りですか?」
Mさん「いえ、窓から一番離れたあたりに」
高岡「窓際は直射日光があたりますか?」
Mさん「いえ、軒があるのであたらないです」
高岡「じゃあ、次はそこで作りましょうか」
(吊るした直後)
(3日目)
吊した直後と3日目の様子を送ってもらいました。
徐々に花びらがしっかり胃開いた状態で乾いていっているのがわかりますね!
5. そして、結果やいかに…!
そして、約1週間後。再びMさんからの連絡。
Mさん「あの…最後の最後で失敗したかもしれません(半泣)」
高岡「!!!!」
えええええっ、まさかのまた失敗!? この間までいけてそうだったのに!?
どういうことかと聞いてみると、先端の花がきれいに開かず、潰れているとのこと。
さっそくチェックすることに。
(花先端アップ)
M「高岡さん~~~~見てください!」
高岡「何があったんですか。順調そうだったのに」
Mさん「やってしまいました。直射当たらないと思ってたんですが、早朝とかに当たっていたのかもしれません。ほら、これ!」
高岡「これは………」
Mさん「………ほんとにすみません!」
また失敗させてしまうとは。
このままでは専門家としての自信が地の底まで落ちてしまいそうになるところでしたが…。
高岡「いえ、これは成功ですよ!! 」
Mさん「…えっ! ほんとですか」
大丈夫でした!実は先端の新芽は柔らかいため、このようになりがちなんです。
他の花びらはしっかりきれいな状態で乾いています。今回はいい感じにドライになったのではなっています。
(成功したドライフラワー)
Mさんリベンジ大成功、おめでとうございます!!
そしてありがとうございます!
僕のプロとしての自信もしっかり守られました(笑)
6. ポイントを押さえて楽しいドライフラワーライフを!
今回のMさんのように、きちんとポイントさえ押さえれば、初心者でもドライフラワー作りは決して難しくありません。
ぜひ、この夏挑戦してみませんか?
これからの季節に比較的作りやすいおすすめの花は、ひまわり、ラベンダー、かすみ草、千日草、鶏頭、デルフィニウム、ハーブ系などです。
とにかく水分が早く抜けることが大事なので、紫陽花のように花びらの薄い花などが向いており、水分を多く含む球根花や野菜の花などはあまり向いていません。
ただし、紫陽花も品種によって水分の多いものはやはり乾く前に萎れてしまいやすいのでご注意ください。
ドライフラワーに向くのはガクアジサイやアナベルなどです。
不安な場合は店頭で「ドライフラワーに向くのはどれ?」と聞いてもらえればお答えします。
飾り方でもいろんな楽しみ方ができるのがドライフラワーの魅力のひとつ。
ぜひ気軽に生活にドライフラワーを取り入れてみてください。