「普通ってなんだろう」って最近考えるんですよね。
「普通」とか「当たり前」というフィルターで見てしまうと、物事の一部しか見えなくなってしまっているんじゃないかって。
世の中の新しい発明や商品開発は、その常識を疑うことから大体始まっていたりします。
羽根のない扇風機だとか、消せるボールペンだとか。
おいおい何を大層に言い出したんだとお思いのみなさん、ご安心ください。ちゃんとグリーンのお話です。
何を言いたいかというと、寄せ植えといえば「花」と思い込んではいませんか?ということ。
一般的には確かに寄せ植えといえばお花が主流。でも、実は花がなくてもいいんです!
植物は何も花が咲くものに限りませんし、花がなくとも美しい。
そうは言ってもやはり花がないと華やかさに欠けるのでは?
そんなあなたにぜひ知ってもらいたい、これからの季節にふさわしいカラーリーフの寄せ植えをお届けします。
1. カラーリーフいろいろ
カラーリーフとは、その名前通り、いろんな葉色を楽しむ植物のこと。
銀箔色、赤色、紫色、斑入りと、一般的な緑色以外にもさまざまな色彩があり、植物によっては実の色も含めて楽しむことができます。
その華やかさは決して花にも劣りません。そして何より花以上に長く楽しめるという特徴もあります。
今回は、初秋から冬にかけて楽しめるカラーリーフで寄せ植えをしてみました。
準備したのは、この9苗です。
▼アルテルナンテラ・マーキュリー
▼プリンセス・クローバー
▼ゴシキトウガラシ2種
▼アルテルナンテラ・レッドフラッシュ(赤葉センニチコウ)
▼アルテルナンテラ・ポリゲンス
▼パープルファウンテングラス
▼ストロビランテス
▼紫式部
それぞれ、大きさも葉の形も違いますが、色はいかがでしょう?
やや落ち着いた赤や紫で統一しているものの、それでもカラフルさがわかっていただけると思います。
それではさっそく寄せ植えに…のその前に、まずはイメージトレーニングから。
一気に植えてしまうのではなく、一度鉢の中に苗を並べて、どうレイアウトするかを確認しましょう。
同じような色味や葉の形などが並んでいないかなど、全体のバランスを確認したら、取り出して寄せ植え開始です。
2. 寄せ植えの手順
今回使用したのは、通気性や水はけのよくなる底上げ・メッシュ構造になったウッドバレルプランター。
ここに鉢の底が隠れる程度まで鉢底石を敷き、その上に鉢の2/3程度まで培養土を入れます。
土の表面を軽く指でならしたら、肥料をパラパラ。
苗はそのままではなく、まず固まった根っこをほぐしてあげてください。
土ごと包み込むように、下の方からつかむようにほぐします。
硬く締まっている苗の場合は、ハサミを入れてあげるのもあり。この場合、下から十字に切れ込みを入れるようにしてください。
手でほぐす場合も含め、少しくらい根が切れても問題ありませんが、当然切れすぎると枯れてしまうのでお気をつけくださいね。
植える順は後ろから。
今回は、背面にパープルファウンテングラスとストロビランテス、
中央に紫式部、
その両サイドにアルテルナンテラ・ポリゲンスとゴシキトウガラシ、アルテルナンテラ・レッドフラッシュとプリンセス・クローバーを配し、
正面にゴシキトウガラシ、アルテルナンテラ・マーキュリーの順に植えていきます。
鉢に入れたらぐるりと1周回して、どこの面を前にするか、判断しながら本番のレイアウトを決めていきます。
途中、土を足しながら固め、高さの足りない苗には盛り土をしてあげてください。
外側に広がりを出したい場合には少し角度を付けて植えてあげてもOKです。
すべての苗を植え込んだ後は、鉢の周りに土をしっかりと注ぎます。苗と苗の間にも忘れずに入れてくださいね。
さらに土がこぼれないために、水で戻した水苔を絞って鉢の周りに入れてください。
これは鉢回りだけで大丈夫です。
最後は枝のバランスを見て調整です。
僕は「編(あ)む」と言っているのですが、枝の重なり方を変えて、手前に見せたいものと奥にもってきたいものを入れ替えます。
高さが重なってしまう場合は少し寝かせてあげたりして、それぞれの植物が活きるようにしてあげるのがポイントです。
編み終えたら、飛び出た余分な枝をカットします。
最後はやさしい水量で植物についた土を落とし、鉢底から流れ出るまで水をかけてあげれば完成です!
3. 仕上げやポイント
これは花でもなんでもそうですが、寄せ植えのポイントは高さのバランスと色のバランス。
特に高さが重要で、背の高い植物を奥に配置し、後ろから前に落としていくのが基本です。
こうすればバランスが崩れることはありません。
統一感のないバラバラの高さになると、せっかく寄せ植えで合わせた感がなくなってしまい残念なことになってしまいます。
色合いは個人の好みによりますが、同系色で色を入れていくとバランスがよくなります。
ところで、お気づきの方はいるでしょうか?
今回の色はただ「秋らしい」だけでなく、実はハロウィーン仕様でもあります。
最初は今見ている感じで全体のトーンが赤寄りですが、ハロウィーンに近づくと、トウガラシのごボリュームが上がって、黄色い実が主張しハロウィーンらしくなってきます。
さらに、その頃にへたっている苗があれば、カボチャ型の花ナス「ソラナム・パンプキン」と入れ替えてあげると、さらにハロウィーン感がアップしますよ♪
そんな風にカラーリーフだけでも 十分寄せ植えは楽しめます。
花よりももちがよく管理も楽なカラーリーフ。花が少ない季節でも取り入れやすく、長く楽しめるので「華がない」なんて言わず、ぜひ一度チャレンジしてみてください!
もちろん、花苗選びでお悩みの際はガーデナーズスタッフまでお気軽にお声がけください。植物の専門家が最適な苗をお選びいたします。